突然ですが、あなたは「ペーシング」ってご存知ですか?
ここで紹介する「ペーシング」とは、コミュニケーション心理学のテクニックの1つで、一言でいうと「相手に合わせる」ことです。
このペーシングのテクニックを身につけると、短時間で相手の警戒心をとり「ちゃんと話を聴いてもらえてる」と、安心感を与えることができます。
さらには相手に心を開いてもらい、信頼関係を築きやすくするんです。
なんと良いことだらけ!
そんなテクニックならぜひ習得したいですよね。
そこでこの記事では、コミュニケーションスキルをあげる「ペーシング」の具体的な手法をお伝えします。
参考になったら、ぜひ今すぐにでも実践してみてください。
なぜ「ペーシング」は効果的なの?
わたしたち人間は、共通点を持っている人や自分に近い人に親しみを持つ傾向があります。
それを心理学で「類似性の法則」といいます。
似ているものに愛着や安心感をもつ法則。
人は自分と共通点がある人には、心がオープンになり親しみを感じやすい。
良好な関係の二人は、同じ動作をする傾向が高くなる。
そのため、相手と合わせる「ペーシング」をすることで意識的に類似点をつくりあげ、信頼関係を構築しやすくすることができます。
「ペーシング」の具体的なテクニックを紹介!
相手の話すスピードや声の大きさを合わせよう
まず簡単に始められるのが、相手の「話し方」と合わせる方法です。
これを「マッチング」といいます。
具体的に合わせていくのは以下の通りです。
・話すスピード(早口、ゆっくり)
・声のトーン(高い、低い)
・リズム(抑揚)
みんな誰しも、自分のペースというものを持っています。
だから、自分のペースと合わない人と話すのは、多少のやりにくさを感じるんですよね。
そう思われないためにも、相手のペースに合わせてあげるだけで、相手はとても話がしやすくなります。
さらには自分に好感をもってくれるようになるのです。
相手の感情やテンションを合わせよう
もし、自分が悲しい話をしていて、相手が楽しそうに話を聴いていたら「あれ?」って思いますよね。
逆に、こちらが熱く語っているのに、相手が静かに淡々と話を聞かれたら切なくなってしまいます。
そんな風にならないように、相手の気分や感情の起伏に合わせるようにしましょう。
相手の「怒りスイッチ」が入っているときは、同調して一緒に怒ってみてください。「話の分かる人だ」という印象を与えることができますよ。
相手の動作や表情を合わせよう
相手の仕草や動作、表情を真似する(合わせる)ことを「ミラーリング」といいます。
最近は、モテテクニックとして有名になったので、ご存知の方もいるのではないでしょうか。
相手をミラーリングすることで、「自分と感覚が似ている」と思わせることができると、相手はあなたのことを受け入れやすくなります。
具体例
動作 | 相手が腕を組んだら、自分は机に腕を置く。 相手がコップを手にしたら、自分もコップを手に取る。 |
姿勢 | 相手が前のめりで話し出したら、自分も前のめりになって聴く。 相手が姿勢を正したら、自分も同じく姿勢を正す。 |
表情 | 相手が楽しそうに笑ったら、自分も笑顔を見せる。 相手が悲しい表情をしたら、自分も悲しい表情をする。 |
また、ミラーリングを露骨にやりすぎると不信感を抱かれてしまいます。
あくまで“さりげなく”ミラーリングしましょう。
相手の言葉を繰り返そう
相手の言ったことを繰り返して言うことを「バックトラッキング」といいます。
いわゆる「オウム返し」のことです。
バックトラッキング をすることで「自分の話を聞いてもらっている」「しっかりと理解してくれている」と、相手に安心感を与えることができます。
頷き「うなずき」と相槌「あいづち」
頷きや相槌は、「相手の話を聞いていますよ」というサインであり、相手は安心して話をしやすくなります。
頷くタイミングは、相手の話の腰を折らないように、相手のリズムにテンポよく合わせるようにしましょう。
また、相槌を打つ際に「ペーシング」を意識することも重要となります。
相手の表情や話し方、声の大きさ話すスピード、間の取り方などを合わせながら相槌を打つことで、はじめに述べた「類似性の法則」が働き、お互いの居心地が良くなって会話が弾むようになります。
まとめ
以上が、心理学の「ペーシング」を活用した、人間関係を良くするコツです。
今までも普段何気なくやっていたこともありますが、実際に「ペーシング」をするコツを知ったうえでやるのでは、相手に与える印象が変わってきます。
この記事で紹介した内容は、誰でも取り入れられる内容ばかりです。
さっそく、今日からあなたの生活にペーシングを取り入れ、良い人間関係を構築するために役立ててみてください。